2006年03月09日

ライブドアバブル(1)

証言・さよならライブドアバブル(1)

買われた会社社長が語る “堀江流”


【ライブドア・ニュース 03月08日】 − 男性株主 「グループ全体で、これまで買収した企業の数は大小合わせて何社ぐらいですか」

堀江 「ボクも正確には覚えてないんですが、たぶん5、60社ぐらいだったと思います。開示しなくてもいいものがあるので、いつの間にか買収していた案件もあります」

 2005年クリスマスに行われたライブドア (LD) 定時株主総会で、社長だった堀江貴文は、同社が手がける M & A (企業の合併・買収) の拡大を期待する株主からの問いにこう答えた。隣に座る最高財務責任者の宮内亮治に確認しつつ、注目の資本政策についてのビジョンを示すと、会場は拍手で沸いた。

 LD は00年4月、東京証券取引所の新興企業向け市場 「マザーズ」 に上場。同時に投資事業に参入するために金融子会社 「キャピタリスタ」 を立ち上げた。ホームページ制作・運営から始まったベンチャー企業は M & A を繰り返し、 05 年末までに子会社 44 社、関連5社のコングロマリット(複合企業体)を形成。 600 万円の資本金は、上場以来 83 回に及ぶ増資で、 1400 倍以上の 862 億円にまで膨張した。

資本金 600 万円で始まったベンチャー企業は、 M & A を繰り返し、 10 年ほどで子会社 40 社以上を抱えるまでに膨張していった。 (撮影 : 吉川忠行)


 ◆ ◆ ◆

 「デューデリジェンス(資産査定)など買収前の作業で、会社にやってきたのは宮内さんや中村(長也)さんでした。時間がかかるものですが、彼らは2日ほどで集中的に終わらせてしまいました」

 LD に自社を買収された経験のある会社社長、A 氏は、当時の宮内について 「非常に優秀だった」 と印象を語った。

 IT バブルが崩壊した直後に株式上場。 「勝ち組」 企業が相次いで M & A を仕掛ける混沌とした時代に、 IT ベンチャー企業が弱かった財務・金融面の戦略、知識、経験、スピードの速さなどすべてにおいて、 LD は異彩を放っていた。同時に、どのような資本政策をとれば自分たちの株が上がるか、格別の自信があるように A 氏には見えたという。

 A 氏が自社の売却のために行った競争入札には、数社が手を挙げた。事業上のシナジーだけでなく、現金など多額の流動資産の存在や、 「のれん代」 の少なさなどを見抜いて交渉してきたのは LD だけ。3週間ほどで話をまとめるスピード、株価の評価の良さなど、自分が売りたいように 「ピタリ」 と作業を完了する巧みな交渉術に期待も込めて合意した。

 だが、ライブドアマーケティング(当時バリュークリックジャパン)を完全子会社にした 04 年3月ごろから、高い技術が功を奏した時代も曲がり角にさしかかる。堀江が現場に口をはさむ。ソフト開発、コマースなど LD の “実業” を支えた各部門のキーパーソンが、堀江体制に見切りをつけて、次々と辞めていく。空席となった幹部ポストには、堀江、宮内に美辞麗句を並べてウケがよい、いわば 「腰巾着のような人間」 が増えていったという。

 会社を買われて、 「利益を出せ」 と堀江や宮内から “ゲキ詰め” されて、そのうち社長が姿を消す。結果的に黒字にならないから、本体に吸収されるのが子会社の現実・・・。 「タイムリーに事業の方向性を示すのは天才的。だが、あれだけ金と人を投入しても、本業の収益モデルが確立できない人も珍しい」 と A 氏は堀江を評した。

 事件に至った背景について、 A 氏は 「堀江や宮内が持つ拡大、利益確保のスケジュールに、現場の実力がなかなかついていかない現実に苛立ったのでは」 と推測する。堀江は宇宙事業に参入の意思を表明するようになると、本業に身の入らない様子も見られたという。

 ◆ ◆ ◆

 1月 16 日の強制捜査を受けて、翌 17 日の東京株式市場では LD 株が大量に売られ、一夜にして時価総額が、 1000 億円以上も吹き飛んだ。その後、 「ろうばい売り」 する個人投資家の株を外資系ファンドなどが買い集めたとされ、米国や香港に本店を持つ投資ファンドが突如、大株主に躍り出た。

 「投資ファンドから事業会社まで買収の話をしてきますね」 と話すのは 「平松ライブドア」 の “右腕” 、清水幸裕副社長。 LD に対し、事業上のシナジーを追求した提携から MBO (経営陣による企業買収)に至るまで、様々な思惑で提案を持ち掛けてくるという。

 上場廃止が決まれば、駆け込みで TOB (株式公開買い付け)による敵対的買収を仕掛けられる可能性も考えられる。防衛策について、清水は 「選択肢は限られている。正式にやるのであれば、総会決議によるポイズンピル(毒薬条項)に近いものも考えられるが導入は難しい」 と述べ、企業価値の向上が最善策と強調した。

 買収を仕掛け続けてきた LD が、一転して買収を仕掛けられる側に──。清水は 「大株主になったファンドとは、今週会います。やはり会社としても会っておいた方がいい」 と語った。発足当初に 「切り売りしない」 と断言した 「平松ライブドア」 の防戦は続く。(一部敬称略) 【了】

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証言・さよならライブドアバブル(2) 3 / 9 掲載予定
証言・さよならライブドアバブル(3) 3 / 10 掲載予定

ライブドア・ニュース 常井健一
この記事に関するお問い合わせ先 : newscenter@livedoor.net

(03月08日 11時55分)


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Excerpt: ホリエモン。食に関する記事多し。たまに何か新しいことを匂わすよな記事もある。
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Tracked: 2006-03-29 09:44
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